投稿日: 2025年12月23日(火)

川の京都ガイドツアー・レポート第1回 水都の余韻

川の京都ガイドツアー・レポート第1回

京都府内の河川を巡り、川の魅力を発見する「川の京都ガイドツアー」が、2025年11月から12月にかけて開催されました。その模様をお伝えします。
まず第1回目は、伏見が舞台。「水都の余韻~貸切三十石船で味わい淀川が育んだ伏見の味」と題して、11月の平日、昼間に開催されました。
 ガイドツアーのチラシこの日は晴天の小春日和。ガイドツアーのチラシを持って、いざ出陣。

伏見区は京都市の中でも面積が広く、現在人口は約27万人と多くの方が住んでいますが、歴史的にも豊臣秀吉が伏見港をつくり、江戸時代を含め、長く水運で栄えた“水の都”ともいえる地域です。
参加者は京阪電車の中書島(ちゅうしょじま)駅に集合。この駅は特急も停車するので、大阪方面(淀屋橋、京橋など)からも京都方面(七条、祇園四条など)からも足を運びやすく、宇治方面に観光する方が京阪電車の宇治線に乗り換える駅でもあります。伏見のへそのような場所で、近くには有名な寺田屋など名所もあり、酒蔵巡りの起点としても利用されています。

 案内地図がある商店街案内地図がある商店街を抜けて行きます。

さあ、中書島駅北口から出発です。昼間は人通りの少ない商店街を抜けると突然、視界が変わり水面が見えてきました。濠川(ほりかわ)につながる宇治川派流です。伏見の地を運河のように流れている細い川ですが、江戸時代、ここには宿屋や酒蔵などが建ち、米や酒などを運ぶ小舟が行き来していました。現在は、観光の名物となっている「十石舟」(じゅっこくぶね)が運航されているのです。

 運河クルーズ「十石舟」の乗り場木製の小舟で巡る運河クルーズ「十石舟」の乗り場。

 街並みタイムスリップしたかのような街並みを歩きます。

十石舟を見ながら弁天橋を渡ると、昔ながらの建物が長く続いている通りに出ました。ここには月桂冠大倉記念館があります。伏見の酒をテーマにした今回のガイドツアー、まずはこの記念館を見学します。
月桂冠は江戸時代前期の寛永14年(1637)に、大倉治右衛門が伏見で酒屋を開いたのがはじまり。こうした歴史などを説明するビデオを鑑賞し、貴重な史料など展示物を見学。最後には試飲コーナーがあり、気になる日本酒を3種類、少量ずつ味を利くと、もう1時間が経過。楽しい時間は過ぎるのが早いです。

 月桂冠大倉記念館貴重な史料が展示され、酒処・伏見の歴史と発展を識ることができます。

 酒造りに使われている井戸水試飲のあとは、酒造りに使われている井戸水を飲むことができます。

伏見のお酒とやわらかな水を飲んで、すっかり気分が高まった一行が記念館を出ると、そこに今回のガイド、松岡昭光さんが待っていました。松岡さんは「伏見三十石船」のガイドで、この伏見の歴史や酒蔵に詳しい方です。

松岡さんの案内で、今回のメインである「三十石船」の乗り場へ向かいます。その名の通り、十石舟より大きいため、発着する場所も違うのです。中書島駅の南側まで歩くこと約10分。大きな水門の横に瀟洒な建物が見えてきました。三栖閘門(みすこうもん)資料館です。
三十石船に乗る前に、こちらの資料館を見学します。
まだ陸上交通が整っていなかった時代、川が人や物資を運び、物流の道でした。ところが、大正時代の淀川改修工事と宇治川の築堤工事により、伏見港から宇治川へ通航できなくなってしまいます。そこで船が通航できるよう、宇治川と濠川との合流点に三栖閘門を建設したのです。完成は昭和4年(1929)。その翌年には三川合流地点も今の場所に移されていて、当時、川を巡る大工事が長きにわたって行われていたようです。

 三栖閘門資料館資料館の中では、動く模型の実演で三栖閘門の仕組みをわかりやすく見せてくれます。

いよいよ、三十石船です。十石舟よりも大きく、屋形船に近いといえます。この三栖閘門から濠川をゆっくりと進んでいくそうです。乗船する際、重量が片方に偏らないよう、バランスがとれるように座る位置を指示されます。船に乗り込むと、伏見を代表する3つの酒蔵、黄桜、齊藤酒造、招徳酒造の日本酒が用意されていました。
「さあ三十石船、出航します。船からの景色を楽しみながら、ゆったりと寛いでお過ごしください。皆様の前にご用意されているのは、伏見を代表する3つの蔵の日本酒です」と松岡さんが解説を始めました。3種類のお酒の特徴を聞きながら、味わいが淡麗か濃醇か、香りが高いか穏やかか、それぞれタイプの違うお酒を飲み比べます。

 伏見を代表する3つの蔵の日本酒「黄桜S純米大吟醸」「英勲 純米吟醸 古都千年」「秋の風~ひやおろし原酒」の3種類。

 水上から伏見の街を眺める飲みながら、水上から伏見の街を眺めるのはオツなものです。

途中、散歩をしている地元の方や釣りをしている中学生らもいて、伏見の街の日常が垣間見えます。水面に近い位置から川岸を見る機会は通常ないので、この景色は新鮮なものがありますね。しかもちょうど紅葉の時期。あちらこちらに赤や黄色に色づいた木々が目に優しく映ります。途中、ガイドの松岡さんが「映画『君の膵臓をたべたい』のロケに使われた“伏見であい橋”ですよ」などと様々な見所を教えてくれます。

 船頭さん船頭さんが巧みに船を操り、ゆっくり進んでいきます。松岡さんは先頭からトーク。

 船から望む光景ちょうど紅葉の季節。船から望む光景に心も和みます。

3種類の日本酒を飲み終えるころ、ゴールの船着き場に到着。楽しい時間もそろそろ終了です。こちらは京橋のほとり、伏見みなと公園で「龍馬とお龍 愛の旅路」像があり、最後に記念写真も撮影できました。
短いひとときでしたが、酒処でもある水都・伏見を船に乗って目でも舌でも堪能できる貴重なガイドツアーに、参加者はみな満足な様子でした。
ツアー後にはしご酒をされる方には、昼間でもお酒が飲める飲食店やカフェ、有料試飲可能な酒蔵など二次会場所候補は伏見にたくさんあります。奥深い伏見をとことん堪能していただける川の京都ガイドツアーでした。

 川の京都カードツアー参加者にプレゼントされる「川の京都カード」を使うと、こんな写真が撮れます。

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